しきたりノート

自宅で法事を行うとき

自宅で法事を行うときは、仏壇と部屋を整え、僧侶を玄関で迎えて控えの部屋でお茶を出し、仏壇の前に案内するのが一般的です。

お布施のほかに、来てもらったお礼としてお車代を、会食に出ない僧侶には御膳料を別の封筒で用意します。会食は仕出し料理を頼む家が多く、菩提寺や地域の習わしがあればそちらに合わせます。

前日までに準備しておくもの

項目考え方・補足
準備するもの仏壇の掃除と仏具の手入れ、座布団、焼香の道具、僧侶に出すお茶とお菓子を用意します。
僧侶の迎え方到着したら施主が玄関で迎え、控えの部屋でお茶を出してから、仏壇の前に案内します。
座席僧侶が仏壇の正面に座り、施主と家族が最前列、親族は関係の近い順に後ろへ座るのが一般的です。
お布施とお車代お布施のほか、来てもらったお礼としてお車代を、会食に出ない場合は御膳料を別の封筒で用意します。
会食の手配自宅で会食をするときは、仕出し料理を頼むのが一般的です。

自宅での法事は、会場を借りる場合に比べて準備の手間が施主の家にかかります。いちばん大切なのは仏壇まわりで、ほこりを払い、仏具を磨き、お供えの花と果物、菓子をそろえておきます。ろうそくと線香、抹香と香炉、焼香に使う盆も前日のうちに確かめておくと、当日に慌てずに済みます。

参列者の人数分の座布団が足りないときは、親族に借りるか、仕出し料理の店で貸し出しをしていないか尋ねてみます。夏は冷房、冬は暖房を早めに入れておき、玄関には靴をそろえる場所を空けておきます。駐車場が足りない家では、近くの駐車場の場所を案内状に書き添えておく人もいます。

僧侶の迎え方と見送り方

僧侶が到着したら、施主が玄関まで出て迎え、「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶します。法要の前にいったん控えの部屋か居間に通し、お茶と菓子でひと息ついてもらうのが一般的です。着替えが必要な僧侶もいるため、ふすまで仕切れる部屋があれば用意しておくと喜ばれます。

準備が整ったら仏壇の前の席へ案内し、施主の始めの挨拶で法要が始まります。読経と焼香、法話が終わったら、お布施をお渡しし、会食に同席するかどうかを伺います。帰るときは施主と家族が玄関まで見送り、車の場合は発車するまで見届けるのが丁寧とされます。挨拶の言葉は法事の施主の挨拶 例文を参考にしてください。

部屋の座席の決め方

座席は、僧侶が仏壇の正面に座り、そのすぐ後ろの最前列に施主と家族、その後ろに故人と関係の近い親族から順に座るのが一般的です。仏壇に向かって右側を上座とする地域もあり、親族の年長者を前に案内するなど、家ごとの考え方で調整します。

足腰の弱い高齢の参列者には、正座をしなくて済むよう椅子や座椅子を用意しておくと安心です。小さな子どもを連れた家族は、途中で部屋を出やすいよう後ろの出入口に近い席にします。

お布施・お車代・御膳料の用意

自宅で法事を行う場合は、お布施のほかに、僧侶が自宅まで足を運んでくれたことへのお礼としてお車代を用意するのが一般的です。施主が送り迎えをするときや、寺のすぐ近くに住んでいるときは、お車代を省く家もあります。僧侶が会食を辞退したときは、食事の代わりとして御膳料を包みます。

お布施、お車代、御膳料はそれぞれ別の封筒に入れ、切手盆か袱紗の上にのせて、表書きが僧侶から読める向きで渡します。渡すタイミングや言葉はお布施の渡し方、お札の向きはお布施の入れ方で詳しく紹介しています。

会食(お斎)の手配

自宅で会食をするときは、法事向けの仕出し料理を頼むのが一般的です。慶事を連想させる鯛や伊勢海老を避けた献立を用意している店が多いので、法事の席であることを注文のときに伝えます。人数が決まったら早めに予約し、取り皿や箸、飲み物の数も確かめておきます。

家で食事を用意する手間を省きたい場合は、法要だけを自宅で行い、会食は近くの料理店に移る形もよく選ばれます。会食を設けずに、持ち帰り用の弁当と引き出物を渡して散会する家もあります。引き出物の選び方は法事のお返し(引き出物)にまとめています。

寺で行うときとの違い

項目考え方・補足
寺で行うとき本堂を借りるため、お布施とは別に会場のお礼が必要かを寺に確かめます。会食は寺の広間か近くの料理店で行います。

寺の本堂で法事を行う場合は、仏具や座席の準備を寺に任せられる一方で、本堂を使うことへのお礼が別に必要かどうかを事前に確かめておきます。お車代は、僧侶が移動しないため不要とされるのが一般的です。参列者が多いときや、自宅が狭いときは寺や法要会場を選ぶ人が多く、どちらにするかは法事の流れを見ながら菩提寺と相談して決めます。

よくある質問

自宅の法事でもお車代は必要ですか。
僧侶に自宅まで来てもらうときは包むのが一般的です。施主が車で送り迎えをする場合は省く家もあります。
仏壇がない家でも自宅で法事はできますか。
小さな机に白い布を掛け、位牌か遺影、香炉、ろうそく、花を置いて祭壇の代わりにする方法があります。準備のしかたは菩提寺に相談すると教えてもらえます。
僧侶に出すお茶はいつ出せばよいですか。
到着して控えの部屋に通したときと、法要を終えて休んでもらうときに出すのが一般的です。
自宅の法事に参列者はどのくらい招きますか。
部屋の広さに合わせて、家族と近い親族だけにする家が多くなっています。案内の出し方は法事の案内状の書き方で紹介しています。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。