しきたりノート

お布施の渡し方とタイミング|切手盆・ふくさ・渡すときの言葉

切手盆か袱紗にのせ、文字を僧侶に向けて「どうぞお納めください」

お布施を手渡ししないのはなぜか

お布施は、封筒を手に持ってそのまま僧侶に差し出すのではなく、切手盆と呼ばれる小さなお盆にのせるか、袱紗の上にのせて渡すのが一般的です。直接手で渡すと、お金をそのまま手渡す印象が強くなるためで、ひと手間をかけることで感謝の気持ちを形にすると考えられています。持参するときも、封筒をむき出しのままかばんに入れず、袱紗に包んでおくと折れや汚れを防げます。

ポイント補足
切手盆か袱紗(ふくさ)にのせて渡す手渡しせず、小さなお盆(切手盆)にのせるか、袱紗の上にのせて差し出します。
表書きの文字を相手に向ける相手から読める向きにして差し出します。
法要の前の挨拶か、終わった後のお礼のとき始まる前の挨拶で渡すか、法要が終わって僧侶が帰る前にお礼とともに渡すのが一般的です。
「本日はありがとうございました。どうぞお納めください」始まる前なら「本日はよろしくお願いいたします。どうぞお納めください」とします。

切手盆を使う渡し方

切手盆は、黒塗りなどの小さな角盆です。自宅で法要を営むときや、葬儀社の式場で用意されていることがあります。

  1. お布施を切手盆にのせます。お車代や御膳料があるときは、お布施をいちばん上にして重ねます。
  2. 僧侶の正面に座り、表書きが僧侶から読める向きに盆を回します。
  3. 盆ごと両手で前に差し出し、ひと言添えます。

僧侶が受け取られたら、盆は手元に戻します。盆を持っていない場合でも、無理に買いそろえる必要はなく、次に挙げる袱紗を使う方法で十分です。

袱紗を使う渡し方

切手盆がないときは、袱紗をお盆の代わりにします。袱紗から封筒を取り出したら、たたんだ袱紗を台にして封筒をのせ、表書きを僧侶に向けて差し出します。袱紗の色は、紫であれば慶弔どちらにも使えるため、一つ持っておくと便利です。弔事向けの紺やグレーの袱紗でも問題ありません。台付きの袱紗(金封袱紗)なら、そのまま台として使えます。

お布施はいつ渡すのがよいか

渡すタイミングは主に二つです。一つは、法要が始まる前に僧侶が控室に入られたときの挨拶のとき。もう一つは、法要が終わり、僧侶が帰られる前にお礼を伝えるときです。どちらが正しいということはなく、寺院や地域、葬儀社の段取りによって異なります。

葬儀の場合は通夜から葬儀・初七日までのお布施をまとめて、葬儀の終わったあとや、後日寺院にお礼にうかがうときに渡すこともあります。寺院で法要を行うときは、本堂に入る前に受付や庫裏(寺務所)で渡すことが多いです。

お布施を渡すときの言葉

長い挨拶は必要ありません。場面に合わせて短く伝えます。

「少ないですが」とへりくだる言い方は、お布施が金額で量るものではないことから避ける人もいます。感謝の言葉だけで十分です。

郵送や振り込みはできるのか

法要に僧侶をお招きしない場合や、遠方の寺院にお礼を納めたい場合は、現金書留で送ることもあります。その際は白無地の封筒に入れて表書きをし、現金書留の封筒に入れて、ひと言お礼の手紙を添えます。寺院によっては振り込みを案内されることもあるため、方法は事前に寺院に確認しましょう。封筒の準備はお布施の封筒の書き方、お札の入れ方はお布施のお金の入れ方をご覧ください。

寺院で法要を営むときの渡し方

本堂で法要を行う場合、僧侶と顔を合わせるのは法要の直前になることが多いため、到着したら寺務所に声をかけ、そこでお布施を納める寺院もあります。本堂の焼香台の近くに置くよう案内されることもあるので、受付で「御布施はどちらにお納めすればよろしいでしょうか」とたずねると迷いません。

よくある質問

僧侶が忙しそうで渡すタイミングを逃したら?
帰り際に玄関先で渡しても構いません。それも難しければ、後日寺院にうかがってお礼とともに渡す方法もあります。
喪主以外の家族が渡してもよいですか?
施主(喪主)が渡すのが一般的ですが、手が離せないときは家族が代わって渡しても失礼にはあたりません。
袱紗がないときはハンカチでもよいですか?
落ち着いた色の無地のハンカチで代用する人もいます。派手な柄は避けましょう。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。