正月の食べ物
正月の食べ物は、品ごとに願いを込めたおせち、地域によって餅と汁が違うお雑煮、お屠蘇が中心で、1月7日(木)には七草粥を食べるのが一般的です。
お雑煮は関東では角餅のすまし汁、関西では丸餅の白味噌仕立てが多く、同じ地方でも家ごとに違いがあります。お屠蘇は年少の人から順に飲む家が多く見られます。
おせちの品と込められた意味
| 項目 | 考え方・補足 |
|---|---|
| 黒豆 | まめに(勤勉に・健康に)暮らせるようにという願いです。 |
| 数の子 | 卵の数が多いことから子孫繁栄の願いです。 |
| 田作り(ごまめ) | かつて小魚を田の肥料にしたことから豊作の願いです。 |
| 栗きんとん | 黄金色から金運の願いとされます。 |
| 伊達巻 | 巻物に似た形から学問や文化の願いとされます。 |
| 昆布巻き | 「よろこぶ」にかけた縁起物です。 |
| えび | 腰が曲がるまで長生きするようにという願いです。 |
| れんこん | 穴から先が見通せるようにという願いです。 |
| 紅白かまぼこ | 日の出をかたどったとされ、紅は魔除け、白は清らかさを表します。 |
おせちはもともと、季節の節目に神様へ供えた「御節供(おせちく)」から来た言葉で、今は正月の料理だけを指すようになりました。品の一つひとつに、健康、子孫繁栄、豊作、長寿といった願いが語呂合わせや形に重ねられています。すべての品をそろえる必要はなく、家族が好きなものを中心に用意する家も増えています。
重箱に詰めるのは「めでたさを重ねる」という意味からとされます。一般的には、一の重に黒豆や数の子などの祝い肴と口取り、二の重に焼き物、三の重に煮物を詰める形が知られていますが、段の数や詰める順番は地域や家によって違い、二段や三段で済ませる家も多くあります。
お雑煮の地域差
| 項目 | 考え方・補足 |
|---|---|
| 関東 | 角餅を焼いて、しょうゆ味のすまし汁に入れる形が多いです。 |
| 関西(京都など) | 丸餅を煮て、白味噌仕立てにする形が多いです。 |
| そのほか | あん餅を白味噌で煮る地域、あずき汁の地域、魚介でだしを取る地域などがあり、同じ県の中でも違います。 |
お雑煮は、年神様に供えた餅や野菜を下ろして煮込み、元日に家族でいただいた料理が始まりとされます。角餅は、のした餅を切り分ける手軽さから人の多い江戸で広まったと言われ、丸餅には円満を願う意味が重ねられてきました。境目はおおむね東西で分かれますが、県や家によって混ざり合っているのが実際のところです。
餅を焼いてから入れるか、煮てやわらかくするかも家によって違います。結婚して相手の家の味に初めて出会い、驚いたという話がよく聞かれるのも、お雑煮がそれぞれの家で受け継がれてきた料理だからです。
お屠蘇の飲み方
| 項目 | 考え方・補足 |
|---|---|
| 年少の人から飲む | 若い人の若さを年長者に渡すという意味から、年少者から順に飲むのが一般的です。 |
| 年長者から飲む家 | 家長や年長者から飲む家もあり、家の習わしに合わせます。 |
| 子どもや車を運転する人 | 口をつけるまねだけにするか、お茶などで代わりにします。 |
お屠蘇は、山椒や桂皮などの生薬を合わせた屠蘇散を酒やみりんに浸したもので、一年の邪気を払い長寿を願って元日にいただきます。三つ重ねの盃で、東の方角を向いて飲む作法を伝える家もあります。
七草粥の由来
1月7日は五節句の一つの人日(じんじつ)の節句で、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの七草を刻んで入れた粥を食べます。七草粥は、ごちそうが続いて疲れた胃を休め、青菜の少ない冬に栄養をとる知恵だったとも言われ、無病息災を願う行事として今も親しまれています。七草がそろわないときは、手に入る青菜や大根の葉で作っても構いません。
鏡餅を下ろしたあとの食べ方は鏡開きはいつ?で紹介しています。
正月に食べない方がよいとされるもの
正月に避ける食べ物についての決まりはありませんが、昔から伝わる考え方や地域の習わしはいくつかあります。古くは、獣の肉を三が日に口にしない習わしがあり、四つ足の肉を控えた家もありました。地域によっては、元日の朝は餅を食べない「餅なし正月」の家や、特定の作物を正月に食べない集落もあります。いずれも地域や家に伝わるもので、今の暮らしで守らなければならないものではありません。
喪中の家では、紅白のかまぼこや祝い肴などお祝いの意味を持つ料理を控えることがあります。考え方は喪中の正月の過ごし方にまとめています。
よくある質問
- おせちはいつ食べ始めますか。
- 元日に食べ始める地域が多い一方、北海道や東北の一部などでは大晦日の夜からおせちを食べる家もあります。
- お雑煮の餅は何個入れればよいですか。
- 決まりはなく、食べられる数を入れます。偶数を避けて奇数にする家もありますが、気にしない家が一般的です。
- 子どもはお屠蘇を飲んでもよいですか。
- 酒やみりんを使うため、子どもは盃に口をつけるまねだけにするか、お茶やジュースなどで代わりにする家が多いです。
出典・確認日
表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。