退職届の理由の書き方|一身上の都合・会社都合・体調不良のとき
自己都合の退職なら、退職届の理由は「一身上の都合」とだけ書くのが一般的です。
退職勧奨や倒産、事業縮小など会社側の事情で辞める場合は「一身上の都合」と書かず、「貴社からの退職勧奨に伴い」のように実際の事情に沿った文面にします。
「一身上の都合」でよい場合
転職や家庭の事情、引っ越し、学び直しなど、自分の判断で辞めるときは「このたび一身上の都合により」と書けば足ります。退職届は辞めるという意思と日付を会社に伝える書類で、細かな事情を説明する場ではないからです。具体的な理由を書き込むと、かえって話がこじれたり、引き止めの材料になったりすることがあります。
上司から口頭で理由を尋ねられた場合も、書面に書く必要はありません。話せる範囲で伝えれば十分で、書類の文面は簡潔なままにしておくのが一般的です。
| 項目 | 考え方・補足 |
|---|---|
| 自己都合なら「一身上の都合」とだけ書く | 具体的な事情は書かないのが一般的です。 |
| 会社都合(退職勧奨・倒産・事業縮小など)なら「一身上の都合」と書かない | 退職届の文面が離職票の離職理由の確認に影響することがあり、自己都合として扱われると雇用保険の基本手当に給付制限がかかる場合があります。会社都合の内容で書くか、会社都合の場合は退職届を求められても理由の書き方を確認してから出すのが一般的です。 |
| 体調不良やハラスメントが理由でも、文面は「一身上の都合」が一般的 | 会社が会社都合と認める場合はその内容で書きます。理由の記録(日時、内容、診断書など)は自分で残しておき、相談は総合労働相談コーナーや労働基準監督署、弁護士などにします。 |
会社都合のときの書き方
会社から退職を勧められた、勤め先が倒産した、事業所の閉鎖や事業縮小で仕事がなくなった、といった場合は、自分の都合による退職ではありません。このときに「一身上の都合」と書くと、自分から辞めたように読める書面が残ってしまいます。
文面は「このたび貴社からの退職勧奨に伴い、来る令和○年○月○日をもって退職いたします。」や「このたび貴社の事業縮小に伴い」のように、実際の事情を短く書くのが一般的です。会社から自己都合の文面で書くよう求められて迷うときは、すぐに提出せず、離職理由がどう扱われるかを確認してから判断する人が多いです。
雇用保険の給付制限と離職理由
退職届の文面は、会社が作る離職票の離職理由とあわせて、雇用保険の基本手当の手続きで参照されることがあります。厚生労働省は、正当な理由のない自己都合退職について次のように説明しています。
退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月です。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合、給付制限は3か月となります。
この給付制限は、正当な理由のない自己都合退職と、自分の責任による重大な理由での解雇にかかる仕組みとされています。離職票が届いたら、記載された離職理由が実際の事情と合っているかを確かめ、違っていればハローワークの手続きの際に申し出ることができます。
体調不良やパワハラが理由のとき
心身の不調やハラスメントがきっかけで辞める場合でも、退職届の文面は「一身上の都合」とするのが一般的です。会社が会社都合として扱うことに同意した場合は、その内容で書きます。書面に事情を詳しく書かないのは、退職の手続きと、起きたことへの対応を分けて考えたほうが進めやすいからです。
そのかわり、いつ、どこで、誰から、どのようなことがあったかを、日付とともに自分で記録しておきます。診断書がある場合は写しを手元に残しておくと、離職理由の確認や相談の場で役立ちます。どう対応するかの判断に迷うときは、厚生労働省の総合労働相談コーナー、労働基準監督署、弁護士などの相談先があります。
よくある質問
- 「一身上の都合」以外の言い方はありますか。
- 「私事都合」と書く人もいますが、意味は同じです。退職願や退職届では「一身上の都合」が最も広く使われています。
- 退職理由を書かないと受け取ってもらえないことはありますか。
- 自己都合なら「一身上の都合」で足りるのが一般的で、詳しい理由の記載を求められることは多くありません。会社指定の様式に理由の欄がある場合は、その欄の求めに沿って記入します。
- 会社都合なのに自己都合の退職届を出してしまったらどうなりますか。
- 離職票の離職理由に異議があるときは、ハローワークで申し出ることができます。経緯がわかる記録を手元に残しておくと説明しやすくなります。困ったときは総合労働相談コーナーで相談できます。
関連サイト
出典・確認日
表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。
雇用保険の給付制限:厚生労働省(2026年10月14日確認)。
相談先:厚生労働省 総合労働相談コーナー(2026年10月14日確認)。