焼香の作法|宗派別の回数
焼香は、遺族と僧侶に一礼してから遺影に合掌し、抹香をつまんで香炉にくべ、もう一度合掌して戻るのが基本です。
回数と額に押しいただくかは宗派で違い、浄土真宗本願寺派は1回、真宗大谷派は2回で、どちらも押しいただきません。参列者が多いときは、どの宗派でも1回で済ませるよう案内されることがあります。
宗派別の焼香の回数
| 宗派 | 焼香の回数 | 額に押しいただくか | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 浄土真宗本願寺派 | 1回 | 押しいただかない | 浄土真宗本願寺派 よくある質問 |
| 真宗大谷派 | 2回 | 押しいただかない | 真宗大谷派 葬儀・法事・お墓 |
| 浄土宗 | 1〜3回(大勢のときは1回) | 眉間の高さまでいただく | 浄土宗 お焼香の作法 |
| 日蓮宗 | 参列者は1回(導師は3回) | 公式の説明では触れられていません | 日蓮宗 Q&A 焼香 |
| 臨済宗 | 回数にこだわらない(1回が多い) | 顔の高さまでいただく | 臨済宗・黄檗宗 よくある質問 |
| 曹洞宗 | 2回が一般的 | 1回目はいただき、2回目はいただかないのが一般的 | 一般的な作法(公式サイトに説明なし) |
| 真言宗 | 3回が一般的 | 毎回いただくのが一般的 | 一般的な作法(公式サイトに説明なし) |
| 天台宗 | 決まりはないとされる(1回か3回が多い) | いただくのが一般的 | 一般的な作法(公式サイトに説明なし) |
宗派の公式サイトで回数を説明しているものは、その説明に従いました(2026年10月15日確認)。曹洞宗・真言宗・天台宗は公式サイトに焼香の回数の説明が見当たらないため、一般的に紹介されている作法を載せています。参列者が多いときは、どの宗派でも1回で済ませるよう案内されることがあります。
この表のうち、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、浄土宗、日蓮宗、臨済宗は、それぞれの宗派の公式サイトに焼香の作法が書かれているため、その説明に合わせています。たとえば日蓮宗の公式サイトでは、導師は3回、一般の参列者は1回とされていて、参列者と僧侶で回数が違う点が特徴です。臨済宗の公式サイトは、回数にこだわる必要はないとしています。
曹洞宗、真言宗、天台宗は、公式サイトに焼香の回数の説明が見当たりませんでした。表には一般的に紹介されている作法を載せていますが、地域や寺院によって違うこともあります。自分の宗派と違う葬儀に出るときは、喪家の宗派に合わせる考え方と、自分の宗派の作法でよいとする考え方の両方があり、迷ったら前の人の動きに合わせると落ち着いて焼香できます。
立礼・座礼・回し焼香の手順
| 項目 | 考え方・補足 |
|---|---|
| 立礼焼香 | 斎場で多い形です。順番が来たら焼香台の前に進み、遺族と僧侶に一礼し、遺影に合掌してから焼香して、もう一度合掌して戻ります。 |
| 座礼焼香 | 畳の会場で、膝で進んで座ったまま焼香する形です。立ち上がらずに移動するのが一般的です。 |
| 回し焼香 | 狭い会場などで、香炉を順に回して自分の席で焼香する形です。香炉を受け取ったら軽く一礼して焼香し、次の人へ回します。 |
立礼焼香は斎場で最もよく見る形です。順番が来たら焼香台の手前まで進み、遺族に一礼、僧侶に一礼してから遺影を見上げて合掌します。右手の親指、人差し指、中指の三本で抹香をつまみ、宗派の作法に合わせて額に押しいただくかを決めて香炉にくべます。終わったら合掌し、遺影に一礼して、遺族にもう一度一礼してから席に戻ります。
座礼焼香は、寺の本堂や自宅など畳の会場で行われます。焼香台の手前で一度正座して一礼し、膝をついたまま進んで焼香します。立ち上がらずに膝で移動するのは、遺族や僧侶より目線を高くしないための心配りとされます。
回し焼香は、香炉と抹香をのせたお盆が席から席へ回ってくる形です。受け取ったら軽く一礼し、膝の上か目の前の台に置いて焼香し、合掌してから次の人に両手で渡します。椅子の会場なら膝の上、畳なら自分の前に置くのが一般的です。
自宅に弔問したときの線香のあげ方
| 項目 | 考え方・補足 |
|---|---|
| 線香は1本が一般的 | 自宅への弔問では、線香を1本立てるのが一般的です。宗派によっては2本や3本とすることもあります。 |
| 火は手であおいで消す | 息を吹きかけるのは失礼とされ、手であおぐか線香を軽く振って火を消します。 |
| 浄土真宗は寝かせる | 浄土真宗本願寺派の公式サイトでは、線香は立てずに短く数本に折って寝かせると案内されています(2026年10月15日確認)。 |
自宅への弔問では、抹香の代わりに線香をあげることがよくあります。ろうそくから火を移し、炎が上がったら手であおぐか線香を軽く振って消し、香炉に立てて合掌します。口で吹き消すのは、人の息は清らかでないとする考えから避けるのが一般的です。
浄土真宗本願寺派の公式サイトでは、線香は立てずに短く数本に折って香炉に寝かせると案内されています。浄土真宗の家に弔問したときは、置いてある線香の様子を見て合わせると迷いません。本数も宗派で違い、1本とする宗派もあれば、2本や3本とするところもあります。
数珠と焼香の関係
焼香のとき、数珠は左手に掛けたまま右手で抹香をつまむのが一般的です。合掌するときは両手に掛けて手を合わせます。数珠を持っていなくても焼香はできますので、忘れたときは手を合わせるだけで十分です。持ち方の細かな違いは数珠の持ち方と選び方にまとめています。仏式以外の葬儀では焼香の代わりに献花や玉串奉奠をするため、キリスト教式と神式の葬儀もあわせて見ておくと安心です。
よくある質問
- 喪家の宗派がわからないときは何回焼香すればよいですか。
- 1回で心を込めて焼香すれば失礼にはなりません。参列者が多い式では、係の人から1回でと案内されることもあります。
- 押しいただくとはどういう動作ですか。
- つまんだ抹香を額の高さまで持ち上げてから香炉にくべる動作です。浄土真宗では行わないのが一般的です。
- 焼香の順番はどう決まりますか。
- 喪主から始まり、遺族、親族、一般の参列者の順に進むのが一般的です。係の人の案内に従って席の順に立ちます。
- 抹香を香炉の外に落としてしまったら。
- 慌てずにそのまま続けて構いません。拾い直そうとせず、合掌して席に戻ります。