宗派別のお布施と表書き|仏教各宗派・神式・キリスト教
仏式はどの宗派も「御布施」、神式は「御祭祀料」、キリスト教は「献金」
- 浄土真宗・浄土宗・真言宗・曹洞宗・日蓮宗・天台宗・臨済宗のいずれも、表書きは御布施で通じます
- 宗派で違いが出るのは、戒名の呼び方や香典の表書きの使い分けです
- 神式とキリスト教では「布施」という仏教の言葉を使いません
宗派別のお布施の表書き一覧
| 宗派 | お布施の表書き | 補足 |
|---|---|---|
| 浄土真宗 | 御布施 | 戒名ではなく法名と呼び、戒名料という考え方はとらないのが一般的です。香典の表書きに御霊前は使わず御仏前とします。 |
| 浄土宗 | 御布施 | 戒名には誉号が付くことがあります。表書きは御布施が一般的です。 |
| 真言宗 | 御布施 | 表書きは御布施です。戒名の頭に梵字を付けることがあります。 |
| 曹洞宗 | 御布施 | 表書きは御布施です。葬儀の流れが長めで、僧侶が複数人になることもあります。 |
| 臨済宗 | 御布施 | 表書きは御布施です。 |
| 天台宗 | 御布施 | 表書きは御布施です。 |
| 日蓮宗 | 御布施 | 戒名は法号と呼ばれます。香典の表書きは御霊前も使われます。題目(南無妙法蓮華経)を中心にした法要です。 |
| 神式 | 御祭祀料 | 神職へのお礼は御祭祀料・御礼などとし、玉串料と書くこともあります。仏教用語の「布施」「供養」は使いません。 |
| キリスト教 | 献金 | 教会へは献金(記念献金)、神父・牧師個人へは御礼とすることがあります。オルガン奏者などへの御礼を別に包むこともあります。 |
表の通り、仏教の宗派の間ではお布施の表書きそのものに大きな違いはありません。施主が迷いやすいのは、むしろ参列者として香典を包むときの表書きで、たとえば浄土真宗では御霊前を使わないといった違いがあります。お布施の封筒を準備する段階では、宗派を気にしすぎなくても大丈夫です。
浄土真宗のお布施
浄土真宗では、亡くなった人はすぐに阿弥陀如来の力で仏になると考えるため、故人に授けられる名前を戒名ではなく「法名」と呼びます。修行の証として位を授けるという考え方をとらないため、位によってお礼の額を変える「戒名料」という発想もありません。お布施は読経の対価ではなく、阿弥陀如来への感謝として納めるものと説明されることが多いです。詳しくは浄土真宗のお布施をご覧ください。
浄土宗・真言宗・天台宗のお布施
浄土宗では、戒名に「誉」の字を含む誉号が入ることがあり、念仏を大切にする宗派です。真言宗では戒名の頭に梵字を付けることがあり、光明真言などを唱える法要が営まれます。天台宗も表書きは御布施で、法要の作法は寺院によって多少の違いがあります。いずれもお布施の封筒は白無地、濃い墨で書くのが一般的で、金額の目安もほかの宗派と大きくは変わりません。
曹洞宗・臨済宗のお布施
曹洞宗と臨済宗はどちらも禅宗です。曹洞宗の葬儀は授戒や引導など儀式の流れが比較的長く、規模によっては複数の僧侶で勤めることもあります。その場合でも、お布施は導師にまとめて渡すのが一般的です。臨済宗も表書きは御布施です。僧侶の人数が多いときのお礼の分け方は、寺院に相談すると教えてもらえます。
日蓮宗のお布施
日蓮宗では、故人の名前を「法号」と呼び、南無妙法蓮華経の題目を中心にした法要が営まれます。お布施の表書きは御布施です。香典の表書きについては、四十九日までは御霊前を使うことも一般的です。宗派の中でも寺院ごとに習わしが異なることがあるため、迷ったときは寺院に確かめましょう。
神式・キリスト教のお礼の表書き
神式の葬儀(神葬祭)では、神職へのお礼を「御祭祀料」や「御礼」と書きます。「玉串料」と書くこともあります。「布施」や「供養」は仏教の言葉なので使わないのが一般的です。封筒は白無地を使い、蓮の絵が入ったものは仏式用なので避けます。
キリスト教では、教会へのお礼を「献金」または「記念献金」、神父や牧師個人へのお礼を「御礼」と書くことがあります。オルガン奏者や聖歌隊にお礼を包む場合もあります。カトリックとプロテスタントで言葉づかいが少し異なるため、教会の案内に従うのが確実です。
| 宗教・宗派 | 表書き | ほかに使われる表書き |
|---|---|---|
| 仏式 一般 | 御布施 | お布施・御経料 |
| 浄土真宗 | 御布施 | お布施 |
| 神式 | 御祭祀料 | 御礼・御玉串料 |
| キリスト教 カトリック | 献金 | 御礼・記念献金・御ミサ料 |
| キリスト教 プロテスタント | 献金 | 御礼・記念献金 |
| 無宗教・不明 | 御礼 | 御布施 |
宗派が違っても共通する封筒の準備
どの宗派でも、お布施の封筒は白無地で郵便番号の枠がないもの、墨は濃い黒、新札で構わないという点はほぼ共通です。一部の地域では黄白や黒白の水引が付いた袋を使う習わしがありますが、これは宗派よりも土地の慣習による違いです。
宗派が分からないときの調べ方
実家の宗派が分からないときは、仏壇の本尊や位牌の形、過去の法要の記録、親族の話などから手がかりが得られます。菩提寺の名前が分かれば、寺院に直接たずねるのがいちばん確実です。お布施の金額の目安はお布施の金額相場、封筒の準備はお布施の封筒の書き方で確認できます。
よくある質問
- 宗派によってお布施の金額は違いますか?
- 宗派そのものより、寺院とのお付き合いや地域、戒名の位による差のほうが大きいとされます。
- 神式で「御布施」と書いてしまったら?
- 気づいたら封筒を替えるのが望ましいですが、渡してしまった場合は改めてお詫びとお礼を伝えれば十分です。
- 無宗教の式で司会者にお礼を渡すときは?
- 宗教者ではない方へのお礼は、白無地の封筒に「御礼」と書くのが一般的です。
出典・確認日
表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。
お布施の金額:すべて一般的な目安です。寺院の費用についての有料の調査報告書は、引用に許諾が必要なため使っていません。