しきたりノート

献本の送付状

献本の送付状は、日頃のお礼と、本を書いた経緯や読んでほしい点を短く添えるのが一般的です。

出版社から送るときは、書名、著者名、発売日と、紹介や書評をお願いしたい場合はその旨を書きます。本のほかに、名刺や資料を同封することもあります。

献本の送付状に書くこと

項目考え方・補足
著者から送るとき日頃のお礼と、本を書いた経緯や読んでほしい点を、短く添えるのが一般的です。
出版社から送るとき書名、著者名、発売日、紹介や書評のお願いがあればその旨を書きます。
同封するもの本のほかに、名刺や資料、献本の案内文を入れることがあります。

献本は、お世話になった方や取材でご協力いただいた方、本の内容に関わりのある方へ、できあがった本を贈ることです。送付状は、なぜこの本をその方に送るのかを伝える役割を持ちます。「取材の際に貴重なお話を伺い、その内容を第三章に生かしました」のように、相手との関わりを一つ挙げると、受け取った方にも気持ちが伝わりやすくなります。

献本はあくまで贈り物なので、感想や紹介をお願いするとしても、強く求める書き方は避けるのが一般的です。「お時間のあるときにお目通しいただけましたら幸いです」程度の控えめな言い回しにとどめます。

著者から送るときの文例

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 このたび、拙著『〇〇〇〇』を刊行する運びとなりました。 執筆にあたっては、〇〇様に伺ったお話を大いに参考にさせていただきました。 感謝の気持ちを込めて一冊お送りいたしますので、お時間のあるときにお目通しいただけましたら幸いです。 今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。 敬具

手書きの一筆箋で添える場合は、本文を三、四行に短くし、署名と日付を入れるだけでも構いません。本の見返しに直接ひと言書いて渡す人もいます。

出版社から送るときの文例

拝啓 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 平素より弊社の刊行物にご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 このたび弊社より、〇〇〇〇著『〇〇〇〇』を〇月〇日に発売いたします。 ご高覧いただきたく、一冊お送りいたします。 貴誌でご紹介いただける機会がございましたら、資料のご用意や著者への取材のご相談にも応じますので、お気軽にご連絡ください。 敬具 記 書籍『〇〇〇〇』 1冊 新刊案内 1部 以上

同封するものと送り方

本と送付状のほかに、著者なら名刺、出版社なら新刊案内やプレスリリース、著者のプロフィールをまとめた資料を入れることが多いです。書評やメディアでの紹介をお願いする場合は、発売日や定価などの基本情報を一枚にまとめておくと、受け取った側が扱いやすくなります。

本は角や表紙が傷みやすいため、厚紙や緩衝材で包んでから封筒に入れます。送付状は本の上に重ね、封筒を開けたときに最初に目に入るようにします。本の重さと厚さで送る方法を選ぶ必要があるので、大きさの合った封筒を用意しておくと安心です。

送る時期と送り先の選び方

献本は、本ができあがってから発売日までの間か、発売の直後に届くように送るのが一般的です。取材先やお世話になった方には、書店に並ぶ前に届くと、先にお見せしたいという気持ちが伝わります。紹介や書評をお願いしたい媒体には、記事の準備に時間がかかるため、発売日よりかなり前に送ることもあります。

送り先の名前や肩書きは、送る前に最新のものを確かめておきます。異動や退職で担当者が替わっていることもあるため、会社あてに送る場合は部署名まで正しく書きます。宛名に添える敬称の使い分けは、ふだんの郵便物と同じです。

多くの方に送るときは、送付状の本文を共通にし、相手ごとにひと言だけ書き足す方法がよく使われます。全員に同じ文面を送るよりも、相手との関わりに触れた一文があるほうが、受け取った方の印象に残ります。

よくある質問

献本にお礼状は必要ですか。
受け取った側は、読んだ感想とともにお礼を伝えるのが丁寧とされています。すぐに読めないときは、届いたお礼だけ先に伝えても構いません。
送付状は手書きと印刷のどちらがよいですか。
著者から個人に送る場合は手書きの一筆箋を添える人が多く、出版社から複数の媒体に送る場合は印刷の送付状が一般的です。
サインを入れて送ってもよいですか。
相手との関係によりますが、著者からの献本では見返しにサインやひと言を入れることもよく行われています。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。