始末書と顛末書の違い
始末書は自分の過ちを認めて反省とお詫びを伝える書類、顛末書は起きたことの経緯を初めから終わりまで報告する書類で、一般的には始末書は過ちをした本人が、顛末書は担当者や責任者が書きます。
どちらも法律で決まった書式はなく、会社に定めがあればそれに従います。下の表で目的・書く人・中身・出す相手を比べ、三つの質問に答えると、どちらを書くかの目安がわかります。
始末書・顛末書・報告書・理由書の比較
| 書類 | 目的 | 書く人 | 主な中身 | 出す相手 |
|---|---|---|---|---|
| 始末書 | 自分の過ちを認め、反省とお詫びを伝える | 過ちをした本人 | 事実、原因、反省と謝罪、再発防止策 | 会社(代表者や上長) |
| 顛末書 | 起きたことの経緯を、初めから終わりまで報告する | 担当者や責任者(本人とは限らない) | 発生日時、場所、経緯、原因、対応、今後の対策 | 会社、または取引先などの社外 |
| 報告書 | 業務の結果や状況を知らせる | 担当者 | 結果、数字、状況 | 上長や関係部署 |
| 理由書 | ある事情になった理由を説明する | 本人 | 事情と理由 | 会社や役所 |
一般的な使い分けです。会社によって呼び方や使い分けが違うことがあります。
呼び方は会社によって違い、経緯の報告を「始末書」と呼ぶ会社や、反省を求める書類を「反省文」と呼ぶ会社もあります。名前よりも、求められている中身が報告なのか、お詫びなのかを確かめるのが確実です。
どちらを書くか、三つの質問で確かめる
起きたこと、求めた相手、求められた中身を選ぶと、書く書類の目安が出ます。目安なので、会社から書類の名前を指定されているときは、その指定に従ってください。
どちらを書くかの目安を読み込んでいます…
始末書が懲戒と結びつく場合
顛末書は報告のための書類ですが、始末書は、就業規則で懲戒の一つとして提出を求められることがあります。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)第67条では、けん責を「始末書を提出させて将来を戒める。」とし、減給や出勤停止でも始末書の提出を挙げています。始末書を求められたら、それが懲戒としての提出なのか、反省を形に残すための提出なのかを、就業規則と会社の説明で確かめておくと安心です。
両方を求められたとき
大きなトラブルでは、まず顛末書で経緯を報告し、原因が自分の過ちにあるとわかった後で始末書を出す、という順になることがあります。この場合、顛末書に書いた日時や数字と、始末書の事実の部分が食い違わないようにします。顛末書を先に作っておくと、始末書の事実と原因はその要約として書けます。
報告書や理由書と迷うとき
ミスやトラブルではなく、仕事の結果や状況を伝えるだけなら、報告書で足ります。遅れや手続きの事情を説明するよう求められたときは、理由書という形が使われ、謝罪は必ずしも求められません。求められた書類の名前と目的がはっきりしないときは、出す前に上長に確かめます。
どちらを書く場合も先にそろえるもの
始末書でも顛末書でも、起きた日時、場所、関わった人、数量や金額といった事実は、メールや伝票、作業の記録で確かめてから書き始めます。記憶だけで書いた数字が後から違っていたとわかると、書類全体の信頼が下がります。社外に出す顛末書は、社内で内容の確認を受けてから出すのが一般的なので、上長に目を通してもらう時間も見込んでおきます。
よくある質問
- 顛末書を出せば、始末書は出さなくてよいですか。
- 会社が両方を求めているなら、別々に出します。どちらか一方でよいかは、求めた上長に確かめます。
- 始末書を何度も出すと、どうなりますか。
- 扱いは会社の就業規則と運用によって違います。懲戒の定めは就業規則に書かれているので、気になるときはまず規則を確かめます。
- 反省文と始末書は同じものですか。
- 中身が反省とお詫びなら、ほぼ同じ書き方で構いません。会社がどちらの名前で求めているかに合わせて、表題を書きます。
出典・確認日
始末書・顛末書の書き方:一般的な慣習をまとめたもの。法律で決まった書式はなく、会社の様式が優先されます(2026年10月22日確認)。
始末書と懲戒:労働基準法 第89条(e-Gov法令検索)の第89条第9号「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」、厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)の第67条(懲戒の種類)「けん責 始末書を提出させて将来を戒める。」。相談先:厚生労働省 総合労働相談コーナー(2026年10月22日確認)。