しきたりノート

献杯の挨拶(親族代表)の例文

親族代表の献杯の挨拶は、施主に紹介されたら、故人との関係と名前を名乗り、故人をしのぶ言葉を一言添えて「献杯」と発声する流れで、30秒から1分ほどにまとめるのが一般的です。

故人の兄弟や甥・姪、いとこなど、故人と縁の深い年長の親族が頼まれることが多く、引き受けたら前日までに短い原稿を用意して、声に出して読んでおくと安心です。

話す順番

  1. 施主が会食の前の挨拶で、「献杯の発声を、故人の弟の〇〇にお願いいたします」などと紹介します。
  2. 紹介されたら立ち上がり、杯を持ちます。大きな会場では前に出て話します。
  3. 故人との関係と名前を名乗ります。
  4. 集まった人へのお礼か、故人をしのぶ言葉を一言述べます。
  5. 「皆さま、杯をお持ちください」と声をかけ、「献杯」と発声します。
  6. 全員が唱和して杯を下ろしたら、「ありがとうございました」と言って席に戻ります。

親族代表の役目は、場を代表して故人に杯を捧げることです。施主へのねぎらいや故人の人柄に触れるのは構いませんが、施主の挨拶と同じお礼を長く繰り返す必要はありません。

故人との関係ごとの名乗り方

故人との関係名乗りの例
故人の弟・妹「故人の弟の〇〇でございます」
故人の兄・姉「故人の兄にあたります〇〇でございます」
甥・姪「故人の甥の〇〇と申します」
孫「孫を代表いたしまして、〇〇でございます」
いとこ「故人のいとこにあたります〇〇です」
配偶者のきょうだい「故人の妻の兄にあたります〇〇でございます」
親族でない友人「故人と長く親しくしておりました〇〇と申します」

施主の紹介と同じ言い方にそろえると、聞いている人にわかりやすくなります。

名乗りでは、故人から見た自分の続柄を言うのが基本です。親族が多く集まる法要では、同じ姓の人が何人もいるため、続柄に加えて「〇〇市から参りました」などと一言添えると、誰が話しているのかが伝わりやすくなります。

挨拶を作る

「関係」の欄に、故人から見た続柄を入れてください。故人の名前を入れると、挨拶の中では「〇〇さん」と呼ぶ形になります。

挨拶メーカーを読み込んでいます…

関係別の例文

故人の兄弟・姉妹が話すとき

故人の姉の〇〇でございます。施主のご依頼により、献杯の発声をさせていただきます。弟は子どものころから、家族の誰よりも周りに気を配る人でした。今日こうして多くの方が集まってくださったことを、きっと喜んでいると思います。皆さま、杯をお持ちください。弟をしのびまして、献杯。

甥・姪が話すとき

故人の甥にあたります〇〇と申します。若輩ではございますが、親族を代表いたしまして、献杯の音頭をとらせていただきます。叔父には、幼いころから釣りや山歩きに連れて行ってもらいました。その思い出を胸に、杯を捧げたいと思います。献杯。

孫が話すとき

孫を代表いたしまして、〇〇でございます。祖母の一周忌にお集まりいただき、ありがとうございます。祖母が作ってくれた料理の味は、今も家族みんなで話題にしています。それでは皆さま、祖母をしのびまして、献杯。

例文の思い出の部分は、自分が知っている出来事に置き換えてください。故人の好きだったことや口ぐせを一つ入れるだけで、聞いている親族の表情がやわらぎます。

時間の目安と話し方

献杯の挨拶は30秒、長くても1分ほどが目安です。1分に300字ほどの速さで話すと、30秒はおよそ150字、1分はおよそ300字になります。参列者は杯を持ったまま待っています。紙に書いた原稿を読んでも構いませんので、短く区切ってはっきりと話します。

発声の声は、乾杯よりも低く落ち着いた調子にします。言い終えたあとに拍手が起きそうなときは、すぐに「ありがとうございました」と言って座ると、場が静かに食事へ移ります。

避けたい言葉

法要の席では、「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉や、「また」「続いて」のように不幸が重なることを思わせる言葉を避けるのが一般的です。浄土真宗の家では「ご冥福」を使わない考え方もあるため、「安らかな眠りをお祈りして」や「しのびまして」と言い換えると、宗派を問わず使えます。書き上げた原稿は忌み言葉チェッカーで確かめられます。

献杯そのものの意味や、施主が発声するときの例文は献杯とはにまとめています。

よくある質問

親族代表の献杯を断ってもよいですか。
体調や事情があれば断っても構いません。早めに施主に伝えると、ほかの人に頼む時間がとれます。
原稿を見ながら話してもよいですか。
構いません。小さなメモやカードに大きな字で書いておくと、手元を見ても話が途切れません。
友人として頼まれた場合も同じ流れですか。
同じ流れで、名乗りを「故人と長く親しくしておりました〇〇と申します」のように変えます。

出典・確認日

献杯の意味:デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典「献杯」(コトバンク)(2026年10月23日確認)。杯を打ち合わせない、拍手をしないといった作法は、寺院や宗派、業界団体の公開している案内では確かめられなかったため、一般的な慣習として書いています。

話す速さ:1分に300字ほどは原稿を読み上げる速さとして広く使われる一般的な目安で、特定の調査の数字ではありません(2026年10月23日確認)。挨拶メーカーの文面はこのサイトで書いたものです。