しきたりノート

3月の時候の挨拶|上旬・中旬・下旬の書き出しと結び

3月は啓蟄と春分の月で、寒さがゆるみ、春らしさが日ごとに増していく言葉を選びます。

上旬は「早春の候」「浅春の候」、中旬は「啓蟄の候」「春暖の候」、春分を過ぎた下旬は「春分の候」「仲春の候」などが一般的です。

時候の挨拶を読み込んでいます…

3月の時候の挨拶 上旬・中旬・下旬の書き出し

時期書き出し(漢語調)
3月上旬早春の候、浅春の候、雨水の候、啓蟄の候、春暖の候、軽暖の候
3月中旬浅春の候、春暖の候、軽暖の候、春色の候、萌芽の候、弥生の候
3月下旬弥生の候、仲春の候、春分の候、春暖の候、春色の候、萌芽の候

上旬は1〜10日、中旬は11〜20日、下旬は21日〜月末の目安です。

3月の初めは、春とはいえ冷たい風の吹く日も少なくありません。そのため上旬は「浅春」のように春がまだ浅いことを表す言葉が落ち着きます。啓蟄を迎えると、地中の虫が動き出すという節気の意味どおり、生き物の気配や草木の芽吹きを感じさせる言葉に移っていきます。下旬は桜の便りが聞こえ始めるころで、やわらかい表現なら花の話題を中心に組み立てやすい時期です。

3月の二十四節気:啓蟄と春分

二十四節気2026年2027年
啓蟄3月5日3月6日
春分3月20日3月21日

国立天文台「暦要項」の二十四節気の日付です。

啓蟄は2026年が3月5日、2027年は3月6日です。春分は2026年が3月20日、2027年が3月21日で、年によって日付が一日ずれることがわかります。春分の日は昼と夜の長さがほぼ同じになる日で、前後3日を合わせた7日間が春のお彼岸です。お彼岸のころに出す手紙では、墓参りや家族の集まりに触れる人もいます。

年度末の手紙で気をつけたいこと

3月は卒業や異動、退職など、別れと節目の多い月です。お世話になった方へのお礼状では、時候の挨拶の後にすぐ本題へ入り、これまでの感謝を具体的に書くと気持ちが伝わります。卒業のお祝いを添えるなら、新しい門出を喜ぶ一文を結びに置くとまとまりがよくなります。転勤のあいさつ状は、新しい勤務先と後任者の案内を忘れずに入れます。

3月の行事と季節の話題

ひな祭り、卒業式、春分の日と、3月の行事は家族の成長や区切りに関わるものが中心です。自然の話題では桃の花、沈丁花の香り、土手のつくしなどが選ばれます。ひな祭りのはまぐりのお吸い物や桜餅、甘みのある新玉ねぎといった旬の味も、親しい方への手紙で季節を伝える材料になります。

3月に出す手紙の書き出し例

結びには「三寒四温の折、どうぞお健やかにお過ごしください」のように、寒暖の差を気づかう言葉がよく使われます。

3月のやわらかい表現を組み立てるコツ

3月のやわらかい表現は、「まだ」と「もう」を使い分けると季節の進み具合がうまく伝わります。上旬なら「まだ風は冷たいものの」、下旬なら「もう桜の便りが届く頃となりました」のように、同じ春でも時期によって言い方を変えるだけで、手紙の日付と季節感がぴたりと合います。花粉の季節でもあるため、親しい相手には体調を気づかう話題として取り上げる人もいます。一方で改まった手紙では、病気や不調を連想させる話題は控えめにし、芽吹きや花の話題を中心にするのが無難です。

ひな祭りの時期に女の子のいる家庭へ出す手紙では、ひな人形を飾った様子をたずねると話がはずみます。卒業や進学を控えた家庭なら、節目を迎える家族へのねぎらいを一言添えるのも喜ばれます。

よくある質問

「三寒四温」は3月の挨拶に使えますか?
もとは冬の気候を表す言葉ですが、現在は春先の寒暖の繰り返しを表す言葉として2月下旬から3月によく使われます。
春分の日の前後で言葉を替えたほうがよいですか?
漢語調なら春分以降は「春分の候」「仲春の候」などに替えると暦に沿った形になります。
桜の話題はいつから使えますか?
相手の地域の開花状況に合わせるのが一般的です。九州と東北では見ごろがひと月ほど違うため、つぼみや開花の便りなど表現を変えると自然です。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。

二十四節気の日付:国立天文台「暦要項」の各年の二十四節気(2026年10月14日確認)。