冬至のゆず湯とかぼちゃ
冬至には、ゆずの実を浮かべたゆず湯に入り、かぼちゃ(なんきん)や、にんじん、れんこん、ぎんなんなど「ん」のつく食べ物、小豆の冬至粥を食べる習わしがあり、辞書には、ゆず湯はひびやあかぎれを治して風邪を防ぐといわれる、と書かれています。
「冬至にやってはいけないこと」としてネットで紹介されている話は、辞書や公的な案内には見当たらず、言い伝えや暮らしの心がけとして広まったものです。
ゆず湯
辞書では、ゆず湯は「冬至の日、ユズの実を入れて沸かす風呂」で、ひびやあかぎれを治し、風邪の予防になるといわれ、「冬至湯」とも呼ばれると説明されています。百科事典には、ゆず湯に入れば風邪をひかないという地域が多いこと、ゆず湯に入るのはみそぎのなごりかとされていることも書かれています。
冬至(とうじ)と湯治(とうじ)の語呂合わせだとする説明もありますが、辞書に書かれた由来ではありません。ゆずは丸ごと数個を浮かべるか、半分に切って布の袋に入れると、果肉が湯に散らず後片づけが楽になります。肌が敏感な人や小さな子どもは、ゆずの成分で肌がぴりぴりすることがあるので、長湯は避けます。
かぼちゃを食べる理由
農林水産省の行事食の解説では、かぼちゃ(別名なんきん)をはじめ、にんじん、れんこん、かんてんなど「ん=運」が重なる食材を冬至に食べるようになったと紹介されています。百科事典には、冬至にかぼちゃを食べる風習は江戸時代に広まったと考えられること、かぼちゃを食べると中風にならないなどともいわれていることが書かれています。
かぼちゃは夏に収穫しても冬まで保存がきくため、青物の少ない冬にも食べられる野菜として冬至に合うとも言われます。煮物にするほか、小豆と一緒に煮る「いとこ煮」にする地域もあります。
「ん」のつく食べ物
農林水産省の郷土料理の紹介では、にんじん、ぎんなん、きんかん、れんこん、うどん、かんてんなど「ん」が二つ入る食べ物を合わせて「冬至の七草」と呼ぶとしています。別のページでは、「なんきん、ぎんなん、れんこん、にんじん」などを「冬至の七種(ななくさ)」として、汁物にする食べ方も紹介されています。
| 「ん」のつく食べ物 | 農林水産省の紹介 |
|---|---|
| なんきん(かぼちゃ) | 冬至の七種の汁、行事食の解説 |
| にんじん | 冬至の七草、行事食の解説 |
| れんこん | 冬至の七草、行事食の解説 |
| ぎんなん | 冬至の七草 |
| きんかん | 冬至の七草 |
| かんてん | 冬至の七草、行事食の解説 |
| うどん | 冬至の七草 |
農林水産省の三つのページに挙げられているものです。ページによって七つの数え方や呼び名(七草・七種)が違います。
七つすべてをそろえる必要はなく、かぼちゃの煮物や、れんこんやにんじんの入った汁物など、食べやすいものを一品取り入れる家が多いです。
冬至粥
辞書では、冬至粥は「冬至の日に食べる小豆粥」と説明されています。冬至の日に小豆粥を食べる習わしは地域によってあり、かぼちゃと小豆を合わせて煮る料理を食べる地域もあります。
冬至にやってはいけないと言われること
インターネット上では、冬至の日には夜ふかしをしない、体を冷やさない、新しいことを始めない、といった話が「やってはいけないこと」として紹介されています。しかし、辞書や国立天文台、農林水産省の案内に、冬至にしてはいけないことを定めた記載は見当たりませんでした。
夜ふかしや体の冷えを避けるという話は、一年でいちばん夜が長く寒さが増す時期に体をいたわる、という暮らしの心がけとして受け止めるのがよさそうです。冬至に何かをしたからといって悪いことが起きる、という根拠はありません。
よくある質問
- ゆず湯に使ったゆずは食べられますか。
- お湯に浸かったゆずは衛生面から食べないほうが安心です。食べる分は別に用意します。
- 冬至のかぼちゃは冬至当日に食べなければいけませんか。
- 決まりはありません。冬至の前後の食事に取り入れる家もあります。
- 冬至の七草と春の七草は同じですか。
- 違います。春の七草は1月7日に七草粥にして食べる若菜で、冬至の七草は「ん」のつく食べ物のことです。
出典・確認日
ゆず湯とかぼちゃ、冬至粥:デジタル大辞泉(コトバンク「柚湯」)、デジタル大辞泉・日本大百科全書・世界大百科事典(コトバンク「冬至」)、精選版日本国語大辞典(コトバンク「冬至粥」)、農林水産省「かぼちゃを冬至に食べるワケは? 行事食に込められた先人の知恵」、農林水産省「おうちで簡単郷土料理 茨城県『かぼちゃのいとこ煮』」、農林水産省「冬至の七種(ななくさ)汁」(2026年10月25日確認)。
冬至にしてはいけないと言われること:インターネット上の話題で、辞書、国立天文台、農林水産省の案内には記載が見当たりませんでした(2026年10月25日確認)。