しきたりノート

鏡餅の飾り方

鏡餅は12月28日ごろまでに、三方に四方紅か半紙を敷き、裏白、ゆずり葉、大小の餅、御幣、橙の順に重ねて飾るのが一般的です。

飾る場所は床の間が本来の形で、床の間のない家では家族が集まる部屋や玄関の高いところに置きます。関西の串柿のように、地域によって添える物が変わります。

鏡餅を飾る日

鏡餅は門松やしめ縄と同じく、12月13日の正月事始めを過ぎてから飾り始めます。中でも28日は末広がりの「八」が入るため、飾るのによい日とされています。29日は「九」が「苦」に通じるとして避ける家が多く、31日は一晩だけの「一夜飾り」になるため、年神様をお迎えするのにふさわしくないと考えられています。

大掃除を済ませてから飾るのが自然な流れなので、年末の予定に合わせて26日から28日の間に飾る家がよく見られます。地域ごとの目安の日付は正月飾りはいつからいつまで?で確かめられます。

重ねる順番

項目考え方・補足
1 三方(さんぼう)鏡餅をのせる白木の台です。三方がなければ、お盆や白い紙を敷いた台でも構いません。
2 四方紅(しほうべに)四辺を紅く縁取った和紙です。三方の上に敷きます。半紙で代わりにする家もあります。
3 裏白(うらじろ)シダの葉で、白い裏側を表にして左右に広げます。
4 ゆずり葉裏白の上に置きます。地域によっては使いません。
5 鏡餅(大小二段)大きい餅の上に小さい餅を重ねます。
6 御幣(紙垂)餅の間か下に挟んで前に垂らします。地域によっては昆布を垂らします。
7 橙(だいだい)いちばん上にのせます。みかんで代わりにする家も多くあります。

重ねる順番は、下から台、敷く紙、葉、餅、飾りという流れで覚えると迷いません。三方は、継ぎ目のない側を手前に向けて置くのが一般的な作法とされています。裏白は葉の白い面を上にして、左右に広がるように置き、その上にゆずり葉を手前に向けて添えます。

道具がすべてそろわなくても、気持ちを込めて飾ることが大切だと考える人が多くいます。小さな家庭用の鏡餅なら、白い紙を敷いた皿に餅と橙をのせるだけでも十分に正月らしさが出ます。

半紙と四方紅の敷き方、御幣の作り方

四方紅がないときは、正方形に切った半紙で代わりにできます。三方の上に、紙の角が手前と奥、左右を向くようにひし形に置くと、角が台の縁から垂れて見栄えよく収まります。台より紙が大きいときは、四つの角を少し内側に折り込んでから置くと、前と横に三角の角が下がる形になります。

御幣は、紙垂(しで)と呼ばれる稲妻のような形の白い紙です。細長く切った半紙を縦に置き、上から三か所ほど互い違いに切り込みを入れて、切った部分を手前に折り下げていくと、階段のように折れた形ができます。これを二枚作って、餅の間か下から左右に垂らします。切り込みの数や折り方は地域や神社で違いがあり、厳密に合わせる必要はないとされています。

どこに飾るか

項目考え方・補足
床の間家の中でいちばん格の高い場所とされ、本来の飾る場所です。
神棚神棚があれば、小さめの鏡餅を供えます。
仏壇供える家と供えない家があります。宗派の考え方で違います。
リビングや玄関床の間がない家では、家族が集まる部屋や玄関の高い位置に飾ります。
台所・水回り火や水の神様に感謝して、小さな鏡餅を置く地域や家があります。

床の間は家の中でもっとも改まった場所とされ、年神様の居場所として鏡餅を置くのにふさわしいと考えられてきました。マンションなどで床の間がない場合は、リビングの棚の上や玄関の靴箱の上など、目線より高く清潔な場所を選びます。台所や水回りに小さな鏡餅を置く家もあり、火や水の恵みに感謝する意味があるとされます。

神棚や仏壇へのお供えは、家の信仰や宗派で考え方が分かれます。並べ方は神棚と仏壇の正月飾りにまとめています。

干し柿や昆布を添える地域

項目考え方・補足
串柿(干し柿)を添える関西で多く見られる飾り方です。串に刺した干し柿を餅の前に置きます。
昆布を垂らす「よろこぶ」にかけて、御幣の代わりや一緒に添える地域があります。
三段重ね餅を三段に重ねる地域があります。
紅白の餅紅白の餅を重ねる地域があります。

関西では、串に刺した干し柿を鏡餅の前に添える飾り方がよく見られます。外側に二つずつ、内側に六つ並べて「いつもにこにこ仲むつまじく」と読む語呂合わせが知られています。昆布は「よろこぶ」に通じる縁起物として、御幣と一緒に垂らす地域があります。紅白の餅を重ねる地域や三段に重ねる地域もあり、同じ鏡餅でも土地ごとに形が異なります。

鏡餅の由来

鏡餅という名前は、昔の銅鏡が丸い形をしていたことに由来すると言われています。鏡は神様が宿るものとされ、丸い餅を鏡に見立てて年神様の依り代にしたと考えられています。大小二つを重ねるのは、月と日、陰と陽を表すとも、福が重なるようにという願いとも説明されます。橙には「代々」家が続くようにという意味が込められています。

よくある質問

鏡餅を二つ以上飾ってもよいですか。
差し支えありません。床の間に大きなものを、台所や神棚に小さなものを置くなど、部屋ごとに飾る家もあります。
橙の代わりにみかんを使ってもよいですか。
みかんで代用する家は多く、失礼にはあたらないとされています。葉つきのものを選ぶと、見た目が橙に近くなります。
鏡餅はいつ下げればよいですか。
鏡開きの日に下げて、割って食べるのが一般的です。日にちと割り方は鏡開きはいつ?で紹介しています。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。

2026年末から2027年1月の曜日と祝日:国立天文台 暦要項 令和9年「国民の祝日」「日曜表」(成人の日1月11日、2026年10月16日確認)。