しきたりノート

会社・取引先へのお歳暮|宛名・送付状・公務員・経費

取引先へのお歳暮は、会社あてなら「御中」、担当者あてなら「様」で送るのが一般的です。

品物とは別に送付状を出して、日頃のお礼と品物を送ったことを伝えます。贈答品の受け取りを断る会社や、利害関係者からの贈与が禁じられている公務員には贈らず、費用は一般的には交際費として扱います。

宛名の書き方

会社や部署あてに送る場合は、会社名や部署名のあとに「御中」を付けます。担当者の名前がわかっている場合は、会社名と部署名を書いたうえで名前に「様」を付け、「御中」と「様」を一緒に使わないようにします。くわしくは御中と様の使い分けで確認できます。

配送伝票の宛名も同じ考え方で書きます。複数の担当者がいる部署に贈る場合は、部署あてにして「〇〇部 御中」とし、皆で分けてもらう前提で個包装の品を選ぶと喜ばれやすくなります。

送付状と添え状の例

お歳暮を百貨店などから直接配送する場合は、品物とは別に送付状を郵送しておくと、何が届くのかを相手が把握しやすくなります。親戚に贈るときは、短い添え状を品物に同封する形でも十分です。

受け取りを断る会社への対応

近年は、取引の公正さを保つために贈答品の受け取りを禁止している会社が増えています。こうした会社に贈ると、品物を返送する手間をかけさせてしまうため、事前に担当者に方針を確認しておくと安心です。

受け取り禁止の相手には、品物を贈らずに年末の挨拶状やメールで一年のお礼を伝えるのが一般的です。自社の側でも、社員が個人的に取引先へ贈答することを禁じる規定がある場合は、それに従います。

公務員への贈答

国家公務員は、国家公務員倫理規程により、仕事上の利害関係がある相手から金銭や物品の贈与を受けることが禁じられています。親族など私的な関係がある場合でも、例外として認められるのは公正な職務への疑いを招くおそれがないときに限られます。利害関係がない相手からであっても、社会通念上の程度を超える贈り物は受け取れません。地方公務員は、各自治体の条例や規則で同じような定めが置かれています。

役所や公的機関の担当者に感謝を伝えたいときは、品物ではなく手紙やメールにとどめるのが無難です。

項目考え方・補足出典
上司への個人的なお歳暮は減っている社内で贈答を禁じたり控えるよう求めたりする会社もあり、社内の決まりを確認します。
利害関係者である国家公務員への贈答は禁止国家公務員倫理規程第3条第1項第1号は、職員が利害関係者から金銭や物品の贈与を受けることを禁じています。親族など私的な関係がある場合は、公正な職務への疑いを招くおそれがないときに限って例外とされます(第4条)。利害関係者でなくても、社会通念上相当な程度を超える利益の供与を受けることは禁じられています(第5条)。地方公務員は各自治体の条例や規則によります。国家公務員倫理規程(平成12年政令第101号)
取引先の受け取り方針を確認する贈答品の受け取りを断る方針の会社も多く、届いた品を返送されることもあります。事前に担当者に確認すると安心です。

経費と勘定科目の考え方

法人が取引先に贈るお歳暮の費用は、一般的には交際費等として扱われます。国税庁は、得意先などへの贈答のための支出を交際費等に含めており、中元や歳暮の贈答も原則としてこれに当たると説明しています。中小法人には年800万円までの定額控除限度額があります。

個人事業主の場合は、業務のために必要な贈答であれば必要経費になり、勘定科目は接待交際費とするのが一般的です。私的な贈り物と区別できるよう、贈った相手と目的を記録しておくと安心です。消費税では、品物の購入は課税仕入れになりますが、商品券を贈る場合は購入時点では非課税となります。

従業員に現金や商品券を配る場合は給与として課税されるのが原則とされています。お歳暮を従業員に贈る場合の扱いを直接示した国税庁の説明は見当たらないため、個別の判断は税理士に確認するのが確実です。

項目考え方・補足出典
法人が取引先に贈るお歳暮は交際費等国税庁は交際費等を得意先などへの接待・贈答などのための支出としており、中元・歳暮の贈答の費用は原則として交際費等に当たるとしています。中小法人には年800万円までの定額控除限度額があります。国税庁 タックスアンサー No.5265
個人事業主は業務上必要なら必要経費必要経費になるのは業務上の費用で、私的な贈り物と分けて考えます(国税庁 No.2210)。勘定科目は接待交際費とするのが一般的です。国税庁 タックスアンサー No.2210
消費税は品物なら課税仕入れ、商品券は非課税接待交際費の支払いは課税仕入れに含まれます(No.6451)。商品券やギフト券の購入は非課税で、仕入税額控除はその券を使った人が使ったときに行います(No.6229)。国税庁 タックスアンサー No.6451・No.6229
従業員への贈り物は内容しだいで給与になる従業員に現金や商品券を配ると給与として課税されるのが原則です(No.2591の記念品の説明)。お歳暮を従業員に贈る場合の扱いを直接示した国税庁の説明は見当たらないため、税理士に確認するのが確実です。国税庁 タックスアンサー No.2591

社内の上司や同僚への贈り物

社内で上司にお歳暮を贈る習慣は、以前に比べてかなり少なくなりました。社内規定で禁止されていなくても、周りに合わせて控える人が多く、日頃のお礼は年末の挨拶や年賀状で伝えるのが一般的になっています。

よくある質問

取引先のお歳暮は個人名あてと会社あてのどちらがよいですか?
担当者個人への贈り物という形を避けたい場合は、部署あてにして「御中」とするのが無難です。相手の方針がわかっていればそれに合わせます。
取引先からお歳暮が届いたらお返しは必要ですか?
お返しは基本的に不要で、担当者からお礼状かメールを送るのが一般的です。社内規定で受け取れない場合は、丁寧にお断りして返送します。
お歳暮の費用は会議費にできますか?
贈答のための費用は一般的には交際費等にあたり、会議費にはなりません。迷うときは税理士に確認してください。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。

公務員への贈答:国家公務員倫理規程 第3条・第4条・第5条(2026年10月14日確認)。

経費と消費税:国税庁 No.5265、交際費等の範囲の解説(中元・歳暮)、No.2210、No.6451、No.6229、No.2591(2026年10月14日確認)。