位牌の処分
位牌を処分するときは、一般的には菩提寺に閉眼供養(魂抜き)をお願いしてから、お寺でお焚き上げをしてもらうか、寺位牌として永代供養をお願いしてお寺に預け、浄土真宗では魂を抜くという考え方をとらないため、閉眼ではなく遷仏の法要を勤めるのが一般的です。
自分で処分することを禁じる決まりは見当たりませんが、手放す前にお寺に相談しておくと、親族とのあいだで気まずくなることがありません。
位牌を手放すきっかけ
百科事典には、三十三回忌を過ぎると位牌を焼いたりお寺に納めたりして、一人ずつの供養を終える習わしがあったと書かれています。いまも、三十三回忌や五十回忌の弔い上げを区切りに、古い位牌を「〇〇家先祖代々」の位牌にまとめる家があります。曹洞宗も、位牌が多くなったら先祖代々の位牌にまとめることができるとして、菩提寺への相談を勧めています。
ほかに、仏壇じまいや実家の片づけ、引っ越しで仏壇を小さくするときにも、位牌の扱いを決める必要が出てきます。仏壇ごと手放すときの流れは仏壇じまいにまとめています。
閉眼供養(魂抜き)
閉眼供養は、お墓や仏壇、仏像などを撤去したり処分したりするときに勤める儀式と、日蓮宗の寺院の解説に書かれています。開眼のときに迎えた魂を抜くという意味で「魂抜き」とも呼ばれます。お寺に来てもらうか、位牌をお寺に持って行ってお勤めをしてもらうのが一般的です。
浄土真宗では、本願寺派の寺院の解説によると、お性根や魂を抜くのではないため「閉眼法要」や「魂抜き」とは言わず、本尊を移したり、住む人がいなくなった家の本尊を処分したりするときに遷仏の法要を勤めます。
お焚き上げ
お焚き上げは、辞書では「神社や寺院で、お札・お守り・大切にしてきたものなどを焼却すること」と説明されています。閉眼供養を終えた位牌を、そのままお焚き上げしてもらえるお寺もあれば、お焚き上げは年に一度の行事のときだけ受け付けるお寺もあります。菩提寺がお焚き上げをしていない場合は、近くのお寺に受け付けているかを尋ねます。
永代供養に預ける
永代供養は、辞書では、お寺が布施を受けて、故人のために忌日や彼岸などに長く供養を続けることとされています。位牌を家で祀り続けられない場合、菩提寺や本山に寺位牌として預け、お寺で供養してもらう方法があります。預かる年数や、その後の扱いはお寺によって違うので、申し込む前に確かめておきます。
自分で処分するときの考え方
位牌は木の札なので、自治体の分別に従って家庭ごみとして出すことを禁じる決まりは見当たりません。ただ、家族や親族の中には抵抗を感じる人もいるため、自分で処分する場合も、先にお寺に相談して閉眼供養やお勤めを済ませ、親族に一言伝えておくと安心です。そのまま捨てるのが心苦しいときは、白い紙に包んでから出す人もいます。
無料でできるか
閉眼供養やお焚き上げ、永代供養には、お寺へのお布施や、申し込みのときに決められた額を納めるのが一般的で、どこでも無料というわけではありません。お寺の行事として位牌やお札をまとめてお焚き上げする日を設けているところもあり、受け付けの条件や納める額はお寺によって違います。額がわからないときは、お寺に直接尋ねて構いません。
よくある質問
- 位牌を処分したら供養はどうなりますか。
- 宗派の案内では、先祖代々の位牌にまとめたり、過去帳に記したりして、供養を続ける方法が紹介されています。どの形にするかは菩提寺に相談します。
- 菩提寺がない場合は。
- 近くのお寺に閉眼供養やお焚き上げを受け付けているか尋ねます。宗派が同じお寺だと相談しやすいです。
- 白木位牌も閉眼供養が必要ですか。
- 四十九日の法要で本位牌に開眼をしてもらった後、白木位牌はお寺に納めて処分してもらうのが一般的です。
出典・確認日
開眼と閉眼:日蓮宗「お仏壇について」、日蓮宗「用語集」、日蓮宗の寺院の解説「閉眼供養とは」、浄土真宗本願寺派の寺院の解説「遷仏式(遷仏法要)」(2026年10月25日確認)。閉眼と遷仏の説明は、各宗派の寺院が公開しているものです。
お焚き上げと永代供養:デジタル大辞泉(コトバンク「御焚き上げ」)、精選版日本国語大辞典(コトバンク「永代供養」)、デジタル大辞泉・世界大百科事典・日本大百科全書(コトバンク「位牌」)(2026年10月25日確認)。
位牌の意味と種類:デジタル大辞泉・世界大百科事典・日本大百科全書(コトバンク「位牌」)、浄土宗「お仏壇について」、曹洞宗「お仏壇のまつり方」(2026年10月25日確認)。
置き場所・費用の考え方・処分の進め方:一般的な慣習をまとめたもので、店の価格は載せていません(2026年10月25日確認)。