しきたりノート

仏壇の向きと置き場所

仏壇の向きには、正面を南に向ける「南面北座」、東向きに置いて西の浄土に向かって拝む、本山のある方角に向かって拝む、という三つの考え方がよく知られていますが、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、日蓮宗、天台宗はいずれも、向きに決まりはなく、落ち着いてお参りできる場所を選べばよいとしています。

向きより大切にされているのは、直射日光や湿気を避け、家族が毎日手を合わせやすい場所に置くことです。

三つの考え方

考え方置き方宗派の案内
南面北座仏壇の正面を南に向け、北を背にして置く日蓮宗が代表的な説として紹介したうえで、絶対的な決まりはないとしている
東向き仏壇を東向きに置き、西の浄土に向かって拝む宗派の案内で決まりとしたものは見当たらない
本山の方角宗派の本山のある方角に向かって拝めるように置く宗派の案内で決まりとしたものは見当たらない

どの考え方も、宗派の決まりとして示されたものではありません。日蓮宗は、南面北座を代表的な説として紹介したうえで、仏壇をどこに安置するかの絶対的な決まりはないとしています。東向きと本山の方角の考え方は、宗派の公開している案内では決まりとして書かれたものが見当たりませんでした。

宗派の考え方

浄土真宗本願寺派は、北向きの方角を気にするよりも、実際の光の入り具合を考えて向きを決めるよう勧めています。真宗大谷派も、場所や方角にとらわれず、落ち着いてお参りできる静かな場所を選べばよいとしています。天台宗は、仏壇の位置にはさまざまなしきたりが言われるが、あまりこだわりすぎる必要はないとしています。

迷ったときは、仏壇を置く部屋と向きの候補を決めてから、菩提寺に一度相談すると安心です。家の間取りを見て、置き場所を一緒に考えてくれるお寺もあります。

置き場所の選び方

家族が集まる居間に置く家も、仏間や和室に置く家もあります。毎日の暮らしの中で自然に手を合わせられることを優先して構いません。

マンションや狭い部屋のとき

和室や仏間のない住まいでは、小ぶりの仏壇を棚やチェストの上に置く形がよく選ばれます。置く家具は、扉の開け閉めやお供えの出し入れがしやすい奥行きがあり、仏壇の重さに耐えられるものを選びます。転倒を防ぐため、地震に備えた固定もしておくと安心です。

台所やトイレ、浴室と壁一枚で接する場所は、湿気やにおいの点から避ける人が多いです。部屋の向きが限られている場合は、宗派の考え方にならって、向きよりもお参りのしやすさを優先します。

引っ越しで向きが変わるとき

引っ越しや模様替えで仏壇の向きが変わっても、宗派の案内に向きの決まりがない以上、心配しすぎる必要はありません。仏壇を動かすときは、本尊や位牌を先に取り出してから運び、新しい場所に据えたら元どおりに祀ります。移す前後にお勤めをお願いするかどうかは、お寺の考え方によるので相談します。

よくある質問

北向きの仏壇はよくないのですか。
宗派の案内では、北向きを避ける決まりは示されていません。本願寺派は、方角より光の入り具合で決めるよう勧めています。
二階に仏壇を置いてもよいですか。
置いて構いません。家族がお参りしやすい部屋を選ぶのが一般的です。
仏壇の上に物を置いてもよいですか。
本尊を祀る場所の上なので、物を置かないようにする家が多いです。

出典・確認日

仏壇の向き:日蓮宗「お仏壇について」、浄土真宗本願寺派「よくあるご質問」、真宗大谷派「お仏壇(お内仏)のこと」、天台宗「Q&A」(2026年10月25日確認)。東向きと本山の方角の考え方は、宗派の案内で決まりとされたものが見当たらず、一般に言われていることとして書いています。

置き場所・費用の考え方・処分の進め方:一般的な慣習をまとめたもので、店の価格は載せていません(2026年10月25日確認)。