しきたりノート

初穂料の勘定科目|経費にできるか、消費税の扱い

事業のための地鎮祭や安全祈願の初穂料は、一般的には経費として扱われます。

神社への初穂料は対価性がないため、消費税の課税仕入れにはならない(不課税)と考えられます。事業主個人の厄払いは私的な支出なので、経費には含めないのが一般的です。

項目考え方根拠
事業の式典の祭事の費用は交際費に当たらない租税特別措置法関係通達61の4(1)-15(1)は「進水式、起工式、落成式等の式典の祭事のために通常要する費用は、交際費等に該当しない」としています。地鎮祭の名前は出てきませんが、起工の祭事として同じ扱いと考えられることが多いです。国税庁 措置法通達61の4(1)-15
神社の祭礼等への寄贈金は寄附金措置法通達61の4(1)-2とタックスアンサーNo.5262は、事業に直接関係のない者への金銭の贈与は原則として寄附金で、「神社の祭礼等の寄贈金」は交際費等に含まれないとしています。国税庁 タックスアンサー No.5262
消費税は対価性がないため課税仕入れにならない(不課税)と考えられる国税庁の質疑応答事例は玉串料等を課税の対象とならないとしており(受け取る側の扱い)、消費税法基本通達5-2-14とタックスアンサーNo.6463は寄附金等は対価に当たらず課税仕入れにならないとしています。初穂料を名指しした記載はなく、ここから当てはめた一般的な考え方です。国税庁 質疑応答事例「お布施、戒名料、玉串料等」
取得価額との関係は通達に地鎮祭の明記がない法人税基本通達7-3-7は新工場の落成など減価償却資産の取得後に生じる記念費用等を取得価額に算入しないことができるとする規定で、地鎮祭の記載はありません。地鎮祭の費用を建物の取得価額に含めるかどうかは、税理士に確認するのが確実です。国税庁 法人税基本通達7-3-7
事業主個人の厄払いは経費にならない個人の厄払いや安産祈願は家事上の支出とされ、事業の経費には含めないのが一般的な考え方です。

一般的な考え方です。個別の判断は税理士や税務署に確認してください。

地鎮祭の初穂料を経費にできるか

会社の社屋や店舗、賃貸用の建物など事業で使う建物を建てるときの地鎮祭は、事業に関係する支出なので経費として扱うのが一般的です。国税庁の措置法通達では、起工式や落成式などの式典の祭事に通常かかる費用は交際費に当たらないとされており、地鎮祭も工事を始める祭事として同じように考えられることが多くあります。

ただし、地鎮祭の費用を建物の取得価額に含めるのか、その年の費用として処理するのかは、建物の内容や会計方針によって判断が分かれます。法人税基本通達7-3-7は記念費用を取得価額に入れないことができる規定ですが、地鎮祭を名指ししたものではありません。処理に迷うときは、税理士に確認するのが確実です。

勘定科目は何にするか

初穂料の勘定科目に決まった名前はなく、一般的には「雑費」「支払手数料」のほか、祭事の費用として「祭事費」などの科目を設ける会社もあります。神社の祭礼への寄付の性格が強い場合は「寄附金」とされ、国税庁も事業に直接関係のない者への金銭の贈与は原則として寄附金になるとしています。

大切なのは、毎年同じ考え方で処理することです。地鎮祭や竣工祭、年始の商売繁盛の祈祷など、会社として受ける祈祷の初穂料は同じ科目にまとめておくと、後から見ても内容が分かりやすくなります。

消費税の扱い

神社に納める初穂料や玉串料は、祈祷という役務の対価ではなく、お供えや寄付に近い性格のお金とされています。国税庁の質疑応答事例は、受け取る側の扱いとして玉串料などは課税の対象とならないとしており、消費税法基本通達5-2-14とタックスアンサーNo.6463も、寄附金などは対価に当たらず課税仕入れにならないとしています。

初穂料を名指しした国税庁の記載はないため、これらを当てはめた一般的な考え方ですが、帳簿では不課税として扱う会社が多いようです。インボイスも発行されないので、仕入税額控除の対象にはなりません。

経費にならない初穂料

個人事業主が自分の厄払いや家族の安産祈願、お宮参り、七五三で納める初穂料は、事業とは関係のない家事上の支出とされ、経費には含めないのが一般的な考え方です。事業用の車のお祓いや店舗の安全祈願のように、事業のために受ける祈祷かどうかで区別します。

自宅兼事務所の地鎮祭のように事業用と私用が混ざる場合は、床面積の割合などで按分する考え方もありますが、判断が難しいので税理士や税務署に相談すると安心です。

帳簿に残しておきたいこと

初穂料は現金で納めることが多いため、領収書がもらえない場合は、出金伝票に日付、神社名、金額、祈祷の内容を記録しておくと後から説明しやすくなります。地鎮祭であれば工事名や建物の所在地も書き添えておくと、建物の取得に関係する費用だと分かりやすくなります。

お車代や奉献酒、神饌の購入費も、同じ祭事に関わる支出としてまとめて記録しておくと整理が楽です。

会社が負担した初穂料を役員個人の祈祷に使った場合は、私的な支出として扱いが変わることがあるので注意します。

よくある質問

初穂料の領収書はもらえますか。
多くの神社で受付時に頼めば領収書を出してもらえます。宛名と但し書きを伝えておくと処理がしやすくなります。
地鎮祭のお車代も経費になりますか。
事業用の建物の地鎮祭であれば、お車代も同じく経費として扱うのが一般的です。
個人の家を建てるときの地鎮祭は控除の対象になりますか。
自宅のための地鎮祭は家事上の支出なので、所得税の控除の対象にはならないと考えられます。

出典・確認日

表書き・水引・墨・お札などのしきたり:一般的な慣習をまとめたもの(2026年10月14日確認)。

税の扱い:措置法通達61の4(1)-2・(1)-15、タックスアンサーNo.5262、質疑応答事例「お布施、戒名料、玉串料等」、No.6463(2026年10月14日確認)。初穂料を名指しした記載はなく、一般的な当てはめです。